カーシェア導入によるマンション駐車場の有効活用について
■カーシェアの利便性
マンション居住者の移動手段の利便性を高めるといった意味ではカーシェアは非常に便利です。自宅マンションの駐車場にカーシェアができれば、至近距離にステーションができます。また、カーシェアの運営会社から管理組合には駐車場使用料が入り、管理組合にも収入が生まれます。カーシェアを導入すれば、管理組合の収入は増え、居住者さんの利便性は向上する。そのようにお考えになる方も多いのではないでしょうか。
■カーシェアが駐車場の収支改善に貢献するかどうか
カーシェアは便利である一方で、カーシェアのステーションが、自宅マンションの駐車場にできると、マイカーの所有コストを考え、居住者でマイカーを手放すことを検討される方もいるのではないでしょうか。私たちに頂くご相談の多くは、マンション駐車場の収支改善、延いては管理組合の収支改善に関するものです。収支改善という観点でカーシェアの導入についての意見を求められた場合、「お勧めできません」とお答えせざるを得ない場合が多いように思います。
カーシェアが、駐車場の収支改善に貢献する為には、
『自宅マンションの駐車場にカーシェアが導入されても、今駐車場を契約されている皆さんが、駐車場を解約しない(車を手放さない)』つまり、導入時点での駐車場使用料収入がカーシェアを導入されても減らない、ことが条件となります。
カーシェアの運営会社から、居住者駐車場使用料よりも高額で、且つ駐車場に空きが増えれば、ステーション(台数)を増やしてもらえる(追加で賃料を払ってもらえる)場合はこの限りではありませんが、カーシェア運営会社から管理組合さんに支払われる駐車場の賃料は、居住者さんが支払われる駐車場使用料より安価なことが一般的ですから、カーシェアステーションとして駐車場を提供した結果、居住者さんから駐車場の解約が出てしまえば、管理組合さんの収支はマイナスになります。
このことが看過されがちですので、導入前に一度ご検討ください。
カーシェアは非常に便利なサービスで、積極的にお勧めしたいサービスです。
但し、駐車場の収支を改善した後、マンション内の福利厚生の拡充策として導入をご検討頂きたいと思います。